続・牧場の春

 

「ねえ」

「何?」

「今、後ろの方、何か音しなかった。」

「牛がいるらしいよ」

「うし?って何?」

「真っ赤な顔で、頭に角が生えていて、よだれをたら〜り、たら〜り、大きな口からたらしながら、もももももぉっと、草を食べるらしいよ」

「まさか、うしろの草を食べるんじゃないでしょうね」

「さあーね。食べるんじゃない?よだれかからないように気をつけないといかんね」

「早く、3月3日来ないかしら」

ひね暦五十億四十二年十月

牧場でひな祭り