人体展

 あっこちゃんは、その友人グループと、夕方から「人体展」を観に出かけていった。皆、内蔵自慢の人たちだから、自慢の内蔵の姿を拝めるということで、相当な熱がこもっていると思われる。夕餉は、焼き肉であろうか。

 おかげで、私は今、静かな時間を過ごしている。

 しかし、ひとつ危惧することがある。いろいろな臓器の正確な位置を把握することによって、彼らの攻撃力が増すのではないかということである。

 考えただけでわくわくする、じゃなくて、どきどきする、じゃなくて、でもなくて、ぞっとする。

ひね暦五十億四十二年九月

胃の形を人間ドックで
褒められた男(自慢)